MKU's View

経営戦略論・組織論を研究しているMKUのブログ。 書評やウェブ上の気になった記事などを載せていきたい。 私自身の思考トレーニングの側面もあるので、まとまりの良さよりも、ちょっとした「引っかかり」を中心に投稿を行っていきたいと思っている。


Saturday, August 05, 2006

ワンセグ普及は本当か

矢野経済研究所の調査で、2010年には国民の27%がワンセグ携帯を利用する、との結果が出たそうだ。
2010年には国民の27%がワンセグ携帯を利用 - IT - nikkeibp.jp

調査の方法論上の問題もあるとは思うが、にわかにこの結果を見て、「へぇ、じゃあワンセグはこれからメジャーになっていくんだね!」とは信じられない。
この点について考える前にちょっと触れておきたいのは、携帯各社は使われるかどうか、極めて微妙な機能をわんさか携帯電話に盛り込んでいる。その結果がこれだ。

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goo ランキング
あまり使わない携帯電話の機能ランキング
1動画再生
2おサイフケータイ機能
3TV電話
4ワード/エクセル/PDFビューアー
5録画(ビデオカメラ機能)
6PCサイトビューアー(フルブラウザー)
7音楽再生
8赤外線通信
9バーコードリーダー
10アプリ
(C) NTT Resonant Inc. All Rights Reserved.


堂々の第一位に「動画再生」がランクインしている。
勿論、この場合の「動画再生」と「ワンセグ」がイコールの関係で結ばれるわけではない。しかしながら、なぜ動画再生が使わない機能の一位になっているのか、そこを考えると、矢野経済研究所の調査には、かなり大きな疑問符が付く。

私は携帯電話でFMラジオはよく聴いている。しかし、テレビを見たいとはあまり思わない。まず第一に、画面がテレビを見るにはあまりにも小さいということ。ただし、私は使ったことはないが、携帯電話でJAVAを利用したゲームが普及していることを考えると、一概に画面が小さいだけの理由で普及しないとは考えられない。しかし、音声が出なくてもそれなりに楽しめるゲームと、音声と画像の両方が一致して初めてコンテンツとして成り立つテレビとの違いは意外に大きいのかも知れない。
第2に、バッテリーの問題がある。バッテリーについては、燃料電池の小型化やディスプレイの有機EL利用等々、技術革新によって長時間かが計られるかもしれない。しかし、現状ではワンセグを利用すると、電池が3時間程度で切れてしまう(http://allabout.co.jp/computer/av/closeup/CU20060115A/index3.htm)。
ワンセグを利用するユーザーが、携帯電話をヘビーに使うユーザー層と重なるとすると、電池は恐らく1時間も持たずに切れるだろう。これはかなり深刻な技術的課題だ。
第3に、そもそも携帯でテレビが見られることがいったいユーザーにとって何の意味があるのか、ということだ。
携帯でテレビが見られれば嬉しいかも知れないがなくてもよい。恐らく、携帯電話各社がコンテンツ開発に旺盛なのは、付加価値を付け続けて過当競争に陥るのを避けたいからだろう。だが、もしもワンセグをそうした付加価値として活用したいのであれば、FMラジオが着うたと連動しているように、自らのビジネスモデルに組み込まなくてはならない。現状ではあまりそういったコンテンツ開発が成されているように思えない。

色々と書いてきたが、結局言いたいことは、900人だかモニターをした結果、使うと言っている人が沢山いたから普及する、という安直な結論は何の説得性もないと言うこと。
顧客が「使いたいと思っている」ということと、「実際に使う」ということにはギャップがある。恐らく、そのギャップが現在の携帯電話端末の高機能嗜好であり、しかしその実殆ど使われない機能の固まりになっていることの要因であろう。
実際には「ワンセグを利用」ではなくて、「ワンセグ機能が搭載されているけれど、殆ど使われない携帯が普及」、などということにならないためには、携帯電話各社はワンセグの放送コンテンツが、携帯電話で見られることの意義を積極的に開拓しなくてはならないし、物理的・技術的に乗り越えるべき壁も大きい。そういった点を考えると、この調査結果の示す予測数値はあまり信用できない。

Thursday, August 03, 2006

Bloggerサービスは要注意!

Yahoo!知恵袋 - グーグルのブログを始めたのですが、作成したブログが...

自分のブログがほかのコンピュータから見られないことが判明!
今まで書いてきた色々なことは、なんと誰にも公開されていなかった!
理由を色々と探ったところ、bloggerサービス特有の言語設定にあることが分かった。
さすが、Yahoo知恵袋。いざというときに頼りになります。

Googleの新しいツール登場から考える「Japan.internet.com Webビジネス - 「Google Trends」のマーケティング活用法」

Japan.internet.com Webビジネス - 「Google Trends」のマーケティング活用法

全く最近はGoogleづいてしまっているミーハーな私ではあるが、Googleがまた新しいツールを開発したとの記事を発見した。
この新しい「Google Trends」というサービスは、検索エンジンで検索された量が過去2年間分表示されるらしい。
ということは、今はやりの検索ワード等が分かるし、その動きも見ることが出来る。Googleは、世界中の情報を整理し尽くすことが目的で設立された会社だから、こういうサービスが出てきてもなんら不思議ではない。
しかしながら、インターネットがこれほどまでに当たり前にならなければ、こういったサービスも代表性の問題があって、あまり有用性の高いサービスとは捉えられることもなかっただろう。
今日、電車でオフィスに向かう途中、果たして10年前の今頃、つまり、インターネットがWindows95の登場で徐々に広まり始めた頃、果たして今のようにインターネットが活用されていることを予想した人がどれだけいただろうか、とふと思った。
普及初期には(誰だったか忘れたけれども)、カタログ通販が普及した頃、最初は「これで消費が一大変革を迎える」と予言して大はずれになった、という話を引き出して、インターネット通販がそんなに普及するわけがない、という考えを述べている人がいた。しかしながら、アマゾンを見れば、読者・使用者コメントのようなコミュニティサービスによる単なる一方通行の販売を超えた世界に加え、ロングテール消費現象に見られるように、全く違うビジネスモデルを構築してしまった。日本国内では、書店販売ランキングでアマゾンはもう3位にまで上がってきているそうだ。遠からず1位になっていくだろうことは間違いない。
インターネットのやりとりの双方向性というものは、言葉の新しさだけでなんだかよく分からなかったのだが、最近はやはりその意義がどんどん大きくなっているのを感じる。

重要なのは、情報を上手く整理する仕組みをビジネスと結びつけて作り上げるということにあるのだと思う。後はそれがユーザーによって増幅されていき、それが価値を「予定通り」に増幅していく。インターネットの上での情報は、こうやって私がブログに駄文を書いているように、本当に無尽蔵に増えていく。そう考えると、情報というものそれ自体に何か価値を作り出すためには、それをどういう風に整理するのか、その整理の仕方にこそ価値の構築があるのだと言える。この観点から見ると、Googleがおもしろいのは、ヤフーのように「検索」サービスにつられて来た人に、ほかのサービスを提供するという旧来の範囲の経済の考え方とは若干違って、コアである「検索」サービスの付加価値をどんどんつけるようにサービスを拡充して行っている点のように思える。
つまり、情報の価値を構築しているのは、その整理の仕方、言い換えるならば、情報と情報をどうやって結びつけるのか、という結び付け方にあると発見した点にあるだろう。
先日から使い始めたGmailにしろ、これも検索という機能を軸として構成されていた。検索してしまえば、受信トレイの下にフォルダを作る必要などなくなる。なぜならば、フォルダというのは、「私」の側で情報を整理するためにわざわざやっていた作業で、これからはGoogleの検索システムがそれをやってくれているわけだ。このようなサービスを提供してくれているほかのウェブメールサービスというのは、今のところ見たことはない。
検索、整理というものが情報に価値をもたらすと言うことの本質を見せてくれているGoogleが、これからさらにどんなサービスを提供してくれるのか、本当に目が離せない。

Wednesday, August 02, 2006

ミニコンポは復活できるか?「ITmedia +D LifeStyle:ミニコンポの復権を目指して (1/2)」より

ITmedia +D LifeStyle:ミニコンポの復権を目指して (1/2)

なかなか面白い記事を見つけた。
私が高校生、いや、大学生くらいまでは音楽を聴くためのツールといったら、ミニコンポが家に1セットあるというのが主流だったが、記事によると
オーディオ機器の市場規模
2000年 2419億円
2002年 1860億円
とわずかに年間に市場の1/6もの現象があったとのこと。しかし、
2006年 1869億円
2007年(見通) 1875億円
と復調の見通しがあるそうだ。

この背後にはリスニングスタイルの激変があり、旧来のようにCDやMDを中心としたリスニングスタイルから、デジタル化されたスタイルへと激変しているとのこと。
iPodの発売は、2001年10月24日、2002年にはWindowsにもiTunesが対応した。まさにリスニングスタイルの一大変革はこの時期に発生したというわけだ。
これは単にリスナーのスタイルが変わったと言うだけではなくて、言うまでもなく音楽のビジネスモデル自体が変わったことを意味している。旧来のCDベースのビジネスから、iTMS(2003年サービス開始)が登場したことでこれは決定的になった。2003年にはコピーコントロールCDをエイベックスが採用するが、あまりこれは有効には作用していない。なにしろ、もう時代は変わってしまったのだから。

それだけに、ミニコンポをこれからどうやってリスニングスタイルに位置づけていくのか、ビクターの戦略には興味がある。2006年以降のオーディオ市場の復調(というか、下げ止まり)が意味するものが、果たしてビクターの思うような「New音楽ファン」のオーディオ回帰へとつながる流れとなりうるのかどうか注目していきたいと思う。

ウェブ環境のGoogle化

梅田望夫氏の『ウェブ進化論』を読んで以来、グーグルの価値が分かってきた。(そのことについては、かつてのブログに記載してある。)
その延長線上で、最近Gmailなるウェブメールサービスをグーグルがやっているということを知り、ミクシィのコミュニティ経由で招待状を送ってもらって、アカウントを得ることが出来た。
Gmailはメーラーの概念を全く変えてしまうだけのインパクトのあるサービスのように見える。メールアカウント内をグーグルの検索エンジンで検索してしまえば、基本的にフォルダという発想なしで利用することが出来る。連絡先も同様。
まだまだ活用の仕方が色々あるのだろうから、これから注目していきたいと思っている。

Gmailを使ってしまうと、ついつい導入したくなってしまうのがGoogleツールバーで、私の使っているブラウザ(Firefox)にもインストールしてみた。そして、これをインストールするとついつい使ってしまいたくなるのが、Blogger(グーグルのブログサービス)で、今までのライブドアブログからこっちに乗り換えてしまった次第である。

よくよく考えてみると、ブログというのは、ウェブ上の気になった記事などをメモ的に書き留めておくためのものだったのだから、ウェブブラウジングと完全な連動が出来ていると便利だというのは、当たり前のことかも知れない。しかし、今までのライブドアのブログサービスだと、そういった点では不満が残る。もしかしたらライブドアにもあったのかもしれないけれど、グーグルのツールバーを導入すれば、ちょっと気になったこととかを書き留めておくことが簡単にできるのだ。
今後は積極的にこっちを活用していきたいと思っている。